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安土城 奇抜な天主に直線的な幅広の大手道、「常識外」の信長の居城

散策コース:安土)

安土城は、近江国(現在の滋賀県)南部、、湖岸近くの安土山に築かれた織田信長のお城。


最初は、尾張(現在の愛知県西部)の一勢力であった織田信長。

勢力を拡大するごとに居城を変えていった、珍しい戦国大名です。

そして、天下統一を目前にした織田信長の「最後」の居城となったのが、この安土城です。


湖岸に面した水陸の要衝、安土山

日本初!天主のあるお城

今の安土城は石だらけ?!

安土城と一緒に訪れたい周辺スポット


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安土山

湖岸に面した水陸の要衝、安土山

安土山は、今は、湖岸からは少し離れたところにあります。

しかし、当時は、安土山の周辺には琵琶湖と繋がる「内湖」が広がっていました。

湖岸に面する山の麓から船を出して、直接琵琶湖に出ることが可能。

水運を利用して、京、長浜(羽柴秀吉居城)、坂本(明智光秀居城)など周辺各地へ短時間で移動することもできました。


また、安土山の麓には北陸街道が通り、陸路で京や岐阜(以前の本拠)などへ移動するのも便利。

まさに「水陸の要衝」であった安土山。

京の朝廷訪問や前線での叱咤激励など、各地への「出張」が多かった信長の居城には打ってつけの場所です。

安土城址から眺める琵琶湖

日本初!天主のあるお城

ところで、お城というと、多くの人は立派な天守(天守閣)の姿を思い浮かべることと思います。

しかし、戦国時代のこの時期、天守という建物はまだどのお城にもありませんでした。


天守が初めて登場したのは、実は、安土城。

なお、「天守」は、安土城に限っては「天主」と書くのが一般的です。

安土城の天主は、五層七階の絢爛豪華な建物であったそう。


下の写真は、安土城郭資料館に展示されている安土城天主の模型です。

全面金箔に覆われた最上階と、その下の八角形の望楼

天主の存在自体がすでに「常識外」ですが、こんな奇抜な構造は安土城の後にも例がありません。

例えば、秀吉の大坂城の天守も金箔がふんだんに使われましたが、構造は意外にもオーソドックス。

「斬新さ」では安土城に軍配が上がります。


しかし、残念なことに、本能寺の変の直後の火災で、天主などの主要部分が焼失。

完成からわずか3年・・・。

戦国のお城の中でも1,2を争う短命な城となってしまいました。

天主模型(安土城郭資料館)

今の安土城は石だらけ?!

本能寺の変の後に安土城は廃城となり、残っていた建物は八幡山城などに移築されました。

現在の安土城には建物はほとんどなく、石段や石垣だけが残ります。

ここを訪れる人の第一印象の多くは、おそらく「石だらけ!」。

とはいえ、大手道に残る長い石段や天主跡の大きな礎石から、当時の安土城の巨大さをうかがい知ることはできます。

安土城址

では、今の安土城址の主な見どころをご紹介していきましょう。


<大手道>

大手道とは、お城の正門(大手門)から中心部へ向かう道のこと。

一般的なお城では、敵が正面から押し寄せてきたときのことを考えて、大手道の道幅はあまり広くはしません。

また、途中で何度も屈曲させた構造になっていることも多いです。


しかし、それまでの城の常識から大きく外れているのが、この安土城の大手道。

幅6mもある広い石段が、山頂に向かって直線的に「ずどーん」。

城の防御よりもむしろ、訪れる人の「度肝を抜く」ことに重きを置いてつくられた感じです。


直線部分の長さは約180m。幅広い石段がまっすぐ上に延びるさまは壮観です。

安土城大手道

大手道沿いには、伝羽柴秀吉邸跡伝前田利家邸跡など、配下武将の屋敷跡と伝わる遺構が残ります。


なお、大手道の石は結構大きめ。また、その石段が400段以上も続きます。

一気に登ろうとするとちょっときついかも。

適度に休憩をとって石段からの眺望を楽しみながら、ご自分のペースで登りましょう。

伝羽柴秀吉邸跡

<信長本廟>

信長のお墓です。大手道を登った先の本丸跡の中にあります。

信長の配下であった羽柴秀吉(豊臣秀吉)により建てられました。


なお、本能寺の変では、本能寺が焼失してしまったために信長公の遺骸は見つかりませんでした。

そのため、代わりに、太刀や烏帽子などの遺品が納められています。

信長公本廟

<天主跡>

五層七階の天主の跡。

現在、建物は何もなく、昔の絢爛豪華さを感じることはできません。

ただ、巨大な天主の重量を支えていた、当時の礎石が今も残っています。


礎石の周囲には石垣の一部も残っています。

石垣の上からは、琵琶湖や西の湖など、安土山周辺の景色を一望できます。

安土城天主跡

<摠見寺跡>

安土城の城内には、摠見寺(そうけんじ)というお寺がありました。

この摠見寺は、本能寺の変後の安土城の火災では延焼は免れました。

ただ、その後の江戸時代に発生した火災で、本堂など建物の多くが失われました。


当時の建物で残っているのは、三重塔二王門

安土城築城の際に他の寺院から移築されたもので、信長在城時に存在した貴重な建物です。

三重塔は1454年建立。左右に金剛力士像が立つ二王門は1571年の建立。

三重塔と、仁王門および金剛力士像は、それぞれ、国の重要文化財に指定されています。


なお、摠見寺というお寺は今もあり、現在の安土城址は摠見寺により管理されています。

現在の摠見寺は大手道のそばにあり、日曜と祝日に限り、本堂の拝観ができます。

摠見寺二王門
摠見寺三重塔

安土城と一緒に訪れたい周辺スポット

「石だらけ」の地味な安土城址を巡るだけでは、当時の姿を思い浮かべることは難しいです。

安土城址へのお出かけの際には、次の周辺スポットも訪れてみてはいかがでしょう。


<安土考古博物館>

安土城址の南東「近江風土記の丘」にある歴史博物館。

滋賀県、特に、湖南地域の史跡紹介や文化財展示が中心です。

安土城や観音寺城など、滋賀県の代表的な城郭についての詳細な展示も見どころです。


お時間ありましたら、博物館の近くにある、安土城天主・信長の館にも足をのばしてみましょう。

ここには、スペインの万博に出展された、天主の実物大復元模型があります。

絢爛豪華な「金ピカ」の天主最上階が、見事に再現されています。

安土考古博物館と信長の館

<安土城郭資料館>

JR安土駅の南側にある資料館。

館内には、安土城や信長に関連するさまざまな資料が展示されています。

一番の見どころは、先にも少しご紹介した、1/20スケールの精巧な安土城天主模型

この模型は2つに分割可能。天主の内部構造もよくわかります。


館内には小さなカフェもあります。

安土周辺散策の最後にここへ寄って、疲れた足を休めるのもいいですね。

安土城郭資料館

<繖山>

安土城址の南東、安土考古博物館のさらに先に、繖山(きぬがさやま)という山があります。

繖山の山頂付近には、西国三十三所の第三十二番札所、観音正寺

近くには、織田信長に追われた名門六角氏の居城、観音寺城跡もあります。

繖山

また、繖山の中腹には、桑實寺(くわのみでら)という古寺があります。

天智天皇の勅願寺とも伝わるお寺で、戦国時代には織田信長の保護も受けました。

現在の本堂は南北朝時代の建立で、国重要文化財に指定されています。


なお、桑實寺と信長については次のような話が残ります。


信長が琵琶湖の竹生島を訪れている間、女中たちが無断で桑實寺を参拝。

皆の予想よりも早く戻ってきた信長がそれを知って激怒。

女中たちやお寺の僧侶を即刻処断した、というものです。

信長の苛烈な性格をよく示す逸話です。

桑實寺

<浄厳院>

JR安土駅南西にある、浄土宗のお寺。

安土城築城の際に、織田信長の命で建てられました。


浄土宗と法華宗(日蓮宗)による仏教論争(安土宗論)の舞台となった場所としても知られます。

この宗論は法華宗の敗北に終わり、法華宗は信長に弾圧されてしまいました。


浄厳院の境内には、国重要文化財の指定を受けた本堂や楼門など、貴重な建物が残ります。

なお、境内の参拝は自由ですが、本堂の拝観には予約が必要です(拝観料500円)。

浄厳院

なお、安土城址や周辺スポットの多くは、JR安土駅からだと少々距離が離れています。

そこで、安土城へお出かけの際に便利なのが、レンタサイクル

JR安土駅前、北側の改札口を出たすぐのところに、レンタサイクル屋さんがあります。


また、その近くには安土町観光案内所もあります。

出発前に寄ってみましょう。安土散策に有用な周辺情報が得られます。

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スポット情報

<安土城址>

住所 滋賀県近江八幡市安土町下豊浦
最寄り駅 JR安土駅から徒歩20分、レンタサイクルで8分
入山時間 午前9時~午後5時(季節によって変動) 年中無休
入山料 大人700円 小中生200円


<滋賀県立安土考古博物館>

住所 滋賀県近江八幡市安土町下豊浦6678
最寄り駅 JR安土駅から徒歩25分 レンタサイクルで10分
(安土城跡から徒歩8分)
開館時間 午前9時~午後5時
休館日 月曜日(休日、祝日の場合は翌日休館) 年末年始
入館料 大人450円(特別展開催時500円) 高大生300円 小中生無料
ホームページ 安土考古博物館ホームページ


<安土城郭資料館>

住所 滋賀県近江八幡市安土町小中700
最寄り駅 JR安土駅から徒歩1分
開館時間 午前9時~午後5時
休館日 月曜日(休日、祝日の場合は翌日休館) 年末年始
入館料 大人200円 学生150円 小人100円


<桑實寺>

住所 滋賀県近江八幡市安土町桑実寺292
最寄り駅 JR安土駅から山門まで徒歩30分、さらに石段を登ること15分で本堂
開門時間 午前9時~午後5時
定休日 無休
入館料 大人300円 小人150円


<浄厳院>

住所 滋賀県近江八幡市安土町慈恩寺744
最寄り駅 JR安土駅か徒歩10分
備考 境内自由
本堂拝観は要予約(0748-46-2242)

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