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大阪城公園(1) 豊臣家を象徴するお城に残る、徳川時代の遺構

散策コース:大阪(1))

大阪城公園は、国の特別史跡「大坂城跡」を整備した公園。

城跡の周辺には緑があふれ、大阪市民の憩いの場として親しまれています。


豊臣家の栄枯盛衰の象徴、大坂城

今の大阪城公園のベースは、徳川家の二代目大坂城

大阪城公園の見どころ紹介


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豊臣家の栄枯盛衰の象徴、大坂城

大坂城は、豊臣秀吉によって築かれたお城。

本能寺の変で織田信長が倒れた後、信長の配下であった秀吉は、その後の混乱をうまくまとめて権力を掌握します。

そして、豊臣家の威勢を日本内外に示すため、大坂の石山本願寺跡に大きな城を築いたのです。

10年以上もの期間をかけて工事が進められ、何重もの濠に囲まれた難攻不落の城となりました。


しかし、秀吉の没後、関ヶ原の戦に勝利して権力を握った徳川家康により、豊臣家は次第に圧迫され、本拠である大坂城を攻め立てられてしまいます(大坂の陣)。

秀吉が精魂こめて築いた巨城、大坂城も、大坂冬の陣の後、徳川方に堀を埋められてからは防御力が激減。

その後は、真田幸村や後藤又兵衛などの豊臣方の名将たちの奮戦も及ばず、大坂夏の陣にて大坂城は落城します。

秀吉の遺児、豊臣秀頼とその母である淀の方は城と運命をともにし、ここに、豊臣家は滅亡。

秀吉が築いた大坂城は、豊臣家の栄枯盛衰の象徴と言えるでしょう。

大阪城公園

今の大阪城公園のベースは、徳川家の二代目大坂城

さて、現在の大阪城公園を歩いてみるとわかりますが、門や櫓、石垣に濠など、昔の大坂城の遺構が結構残されています。

しかし、意外にも、それらの遺構のほとんどは、実は徳川家によって作られたもの。


大坂の陣で落城した後、豊臣家の初代大坂城は徳川家によって徹底的に破壊されました。

その上に、徳川家の手によって、二代目大坂城が新たに作られたのです。

豊臣びいきが多い大坂の人々に徳川家の威光を植え付けるためにも、初代大坂城の豊臣色は完全に払拭してしまう必要があったのでしょう。


徳川家の威信をかけ、当時の最新の築城技術を結集して作られた二代目大坂城。

この二代目大坂城には、江戸の将軍の代わりに大坂城代が常駐。

江戸時代全期間を通じて、西国の外様大名ににらみを利かせる、幕府の重要拠点として機能しました。


なお、この二代目大坂城も、戊辰戦争の混乱や太平洋戦争末期の米軍の爆撃によって多くの建物を失います。

ただし、大手門や一部の櫓などは辛うじて焼失を免れました。

これらの遺構が今日まで大切に保存され、現在の大阪城公園のベースとなっています。

現代の大阪城公園

大阪城公園の見どころ紹介

では、現在残る大坂城の遺構を中心に、大阪城公園の見どころをご紹介していきましょう。


なお、大阪城公園には、南西の大手口、北西の京橋口、北東の青屋口、南東の玉造口など、入口がいくつもあります。

どこからでも自由に入れるのですが、初めて訪れるのなら、やはり、お城の正面となる大手口から入るのがおすすめ。

以下では、大手口から入城した場合の順番で、大阪城公園の各スポットをご説明していきます。


<大坂城の正面玄関、大手口>

大手口は大坂城の表口、「正面玄関」に当たる場所です。

この大手口に残るのは、大手門と多聞櫓。ともに江戸時代初期の建築で、国の重要文化財指定を受けています。


大手門は、大坂城の表門。

「高麗門」という。お城ではよくある門の形式。主柱の後ろの控え柱に、開門時の扉を収容できる独立した屋根が付いた門です。

ただ、大坂城ほどの巨城の玄関としては、やや小ぶりな感じも受けますね。

大手口

大手門をくぐると、その先に、四角形に区画された広場があります。

ここは、その形状から、枡形と呼ばれます。

枡形の周囲には多聞櫓。また、枡形の先には、鉄板が貼り付けられた堅固な櫓門

櫓門は、門の直上に渡櫓(わたりやぐら)が設置された2階建ての大型門で、防御力の非常に高い門です。


大手口の枡形は、城の入口に攻め込んできた敵を撃退するための工夫の1つ。

大手口に押し寄せた敵は、たとえ大手門を突破したとしても、堅固な櫓門で足止めをくらい、狭い枡形に押し込められます。

このとき、枡形内でギュウ詰めになった敵に対して、櫓門二階の渡櫓や枡形周囲の多聞櫓から弓矢や鉄砲を射かけて一網打尽にするのです。

大手口枡形

<青々とした芝生が広がる西の丸庭園>

西の丸は、大坂城の曲輪(くるわ)の1つ。

その名の通り、本丸の西側にあることからこのように呼ばれます。

江戸時代には、この西の丸には、大坂城の最高指揮官、大坂城代が住む屋敷などがありました。

現在の西の丸は青々とした芝生が広がる、美しい庭園。

桜の季節には芝生でくつろぎながらのお花見が楽しめます。

西の丸庭園

西の丸庭園内にも、江戸時代の大坂城の遺構が残ります。

代表的なものが、乾櫓、千貫櫓、そして、焔硝蔵。


特に、焔硝蔵(えんしょうぐら)は、他の城での現存が少ない点で貴重です。

焔硝とは、鉄砲や大砲を撃つための火薬の原料となるもの。これらを貯蔵しておくのが焔硝蔵です。

徳川時代、大坂城の別の焔硝蔵が大爆発を起こして大坂市中に甚大な被害を及ぼしたことがありました。

そのような経緯もあり、この焔硝蔵は分厚い石の壁で覆われた堅固な作りとなっています。

焔硝蔵

<二の丸の見どころは「ドーナツ」の南側半分>

二の丸は、本丸を守る重要な曲輪。

大坂城の二の丸は、本丸をぐるりと取り囲む、ドーナツのような形をしています。


二の丸の見どころは、主に、ドーナツの南側半分に集まっています。

例えば、南側の外濠沿いに立つ隅櫓

江戸時代の二の丸の南部には、濠に沿って7つの隅櫓が並び、それぞれ監視塔の役割を果たしていました。

そのうちの5つは焼失していまはありませんが、一番櫓と六番櫓という2つの隅櫓が残っています。

一番櫓と六番櫓は、ともに国の重要文化財に指定されています。

二の丸南部の隅櫓

もう1つの見どころは、豊臣秀吉を祀る豊国神社(ほうこくじんじゃ)。

神社の入口では、等身大の秀吉公が参拝客をお出迎え。

本殿では、主祭神の秀吉の他、弟の豊臣秀長と、息子の豊臣秀頼も一緒に祀られています。

徳川時代の遺構が多く残る大阪城公園の中で、「豊臣色」が際立つ場所です。


なお、京都にも豊国神社(こちらの読みは“とよくにじんじゃ”)という神社があります。

この大阪の豊国神社は、元は京都の豊国神社の別社でした。その後独立し、現在は別の神社です。

豊国神社

<五層八階の天守閣がそびえる本丸>

二の丸に取り囲まれた本丸はお城の中心部。

本丸には、大阪のシンボル、五層八階の天守閣がそびえます。


現在の天守閣は三代目です。

徳川家による二代目大坂城再建の際に天守閣も新たに建てられましたが、この二代目天守閣は落雷により焼失。

その後、しばらく天守閣がない時期が続きましたが、昭和期になって、徳川時代の天守跡の上に、豊臣時代の天守閣を模した復興天守が建てられました。

現在の天守閣の中は展示室になっており、武具や古文書など、豊臣家に関する貴重な資料が展示されています。

また、天守閣の最上階は展望室になっており、ここからは、大阪城公園の周囲に広がる大阪の街を一望できます。

天守閣

なお、今の天守閣の背後は、豊臣時代に「山里丸」という曲輪がありました。

当時の大坂城における裏庭のようなエリアでしたが、大坂城落城の際に豊臣秀頼と淀の方がここに追い詰められて自害したという、悲話が残ります。

秀頼自害の碑

<本丸北側は天守閣を眺める絶好のビュースポット>

本丸を一通り見終えたら、内濠にかかる極楽橋を渡って二の丸の北部へ。

この極楽橋周辺では、美しい天守閣を好角度で眺めることができます。

二の丸の南部と比べて天守閣を遮る建物などが少なく、人気のビュースポットの1つ。


また、極楽橋近くには、内濠を遊覧する御座船の乗り場があります。

内濠を20分ほどで一巡り。

船の上から眺める天守閣もなかなか乙なもの。お時間あればぜひ。

極楽橋と天守閣

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スポット情報

<大阪城公園>

住所 大阪市中央区大阪城1-1
最寄り駅 大手門から入城する場合は、谷町四丁目駅または天満橋駅の利用が便利。

(地下鉄)谷町四丁目駅から大手口まで徒歩10分
(京阪・地下鉄)天満橋駅から大手口まで徒歩15分
(JR)大阪城公園駅から青屋口まで徒歩15分
(JR)森ノ宮駅から玉造口まで徒歩10分
天守閣 (開館時間)午前9時~午後5時(桜の季節、GWや夏休みは時間延長)

(休館日)年末年始(12/28~1/1)

(入館料)大人(高校生以上)600円 中学生以下は無料
西の丸庭園 (利用時間)午前9時~午後5時(3月~10月) 午前9時~午後4時半(11月~2月)

(定休日)月曜日(月曜が祝日の場合は翌日) 年末年始(12/28~1/1)

(入場料)大人(高校生以上)200円 中学生以下、および、大阪市内在住の65歳以上の方は無料
ホームページ 大阪城パークセンター
大阪城天守閣

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