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灘五郷 酒造に適した奇跡の水、「宮水」に支えられた日本一の酒どころ

散策コース:西宮、神戸(6))

兵庫県の南東部、阪神地域には、古くからお酒づくりで知られる地があります。

その名は灘五郷


辛口の「男酒」で知られる日本一の酒どころ、灘五郷

酒づくりに適した奇跡の名水「宮水」

各蔵元の一大イベント「蔵開き」

お酒に関するさまざま施設を巡る

毎年10月の宮水まつり


辛口の「男酒」で知られる日本一の酒どころ、灘五郷

灘五郷の「灘」とは、現在の兵庫県阪神地域のうち、西宮市から神戸市東灘区・灘区ににかけての海沿いのエリアを指しました。

この灘では、室町時代の頃には酒造が始まっていましたが、「灘の酒」が全国的に有名になって酒づくりが盛んになったのは、江戸時代の頃です。

今も、灘には大小多くの蔵元が酒造拠点を構え、その日本酒生産量は日本一。


そして、灘五郷とは、この灘という地域の中でも、特に酒づくりが盛んな5つの郷のこと。

時代によって多少の変遷がありましたが、現在は、西宮市の西宮郷今津郷と、神戸市灘区・東灘区の魚崎郷御影郷西郷の5つを指します。


灘の酒は、日本酒度の高い辛口が大きな特徴で、「男酒」とも呼ばれます。

なお、関西では、京都の伏見が灘と並ぶ日本酒の産地ですが、こちらは、灘とは反対で、甘口の「女酒」。

灘五郷

酒づくりに適した奇跡の名水「宮水」

さて、灘の地が、お酒の一大生産地となった大きな理由の1つとして、日本酒づくりにピッタリの「水脈」の発見が挙げられます。

この水は、西宮神社付近からわき出したことから、西宮の水、略して、宮水(みやみず)と呼ばれるようになりました。


一般に、関西でわき出る水はミネラル分の少ない軟水が多いのですが、この宮水は、リンやカルシウム、カリウムなどのミネラル分を多く含む硬水。

硬水は、飲み水や料理用には不向きな水と言われます。


しかし、酒づくりはまた別。

硬水に多く含まれるミネラルは、酵母の増殖を促進させるなどの働きがあり、日本酒造りに欠かせない成分です。

さらに、宮水には、日本酒に色やにおいがつく原因ともなる、鉄分が少ないという特徴もありました。

酒造における理想の条件が全て揃う宮水は、蔵元にとっては、酒づくりのために湧き出てきたような「奇跡の水」だったのです。

宮水発祥の地

この宮水の発見は、当時の酒造業界にはかなり衝撃的だったそう。

宮水が発見されるやいなや、周辺から多くの蔵元が競ってこの地に酒蔵を構えました。

また、海に近いこの灘の地には、作りたてのお酒をすぐ船に積んで出荷できるという、地の利もありました。

できたばかりのお酒を、遠く離れた当時の一大消費地、江戸へ大量に運ぶことができたのです。

その結果、「灘の酒」は江戸の人々にも広く知れ渡り、高品質の日本酒の代名詞となりました。


なお、近代に入り、産業発展に伴う水質汚濁や枯渇の危機もありましたが、酒造に関わるさまざまな方の努力もあって、今でも宮水は維持されています。

現在も西宮の宮水湧出地域には、多くの酒造メーカーの取水井が立ち並んでいます。

取水井の敷地内に入ることはできませんが、多くの取水井は外から眺めることができます。

遠くからでもよくわかる、丸い銀色の蓋が目印です。

宮水庭園(取水井)

各蔵元の一大イベント「蔵開き」

さて、現在も、灘五郷には多くの蔵元が存在し、それぞれの個性が光る酒づくりを行っています。

全国的に知られた大手酒造会社(大関、日本盛、菊正宗、白鶴など)から、日本酒通の人にしか知られていないマイナーな蔵元までさまざま。


蔵元の中には、「蔵開き」と呼ばれるイベントを行っているところもあります。

蔵元によって日は異なりますが、多くは年明けの1月から4月にかけて行われます。

多くは入場無料で、訪れた人には「振る舞い酒」が提供されます。日本酒好きにはうれしい限り。

毎年、この振る舞い酒を目当てにいろんな蔵元を回る方も多くいらっしゃいます。


多くの蔵開きでは、新酒販売や食事の提供があり、さらに、さまざまな催し物も行われています。

普段は入れない、蔵の見学ができるところもありますよ。

蔵開きの時期が近づくと、灘五郷酒造組合のホームページや各蔵元のホームページなどで、蔵開きの日程やイベント内容などが公開されます。

いろんな蔵元を巡りたい方は特に、事前のチェックを忘れずに。

菊正宗の蔵開き

お酒に関するさまざま施設を巡る

また、一部の蔵元では、酒造博物館や直売所など、お酒に関するさまざまな施設を運営しているところもあります。

そのような施設の多くは、季節を問わず一般に開放されています。

街中で見かけたときに、予約などせずともふらっと訪れることができるのが魅力です。


そのような施設の中でも、特に、気軽に訪れやすいスポットをいくつかご紹介しましょう。


<白鹿記念酒造博物館>

西宮郷の辰馬本家酒造が運営する博物館。

なお、「白鹿」とは、辰馬本家酒造が作るお酒の銘柄名です。


この博物館には、「記念館」と「酒蔵館」の2つの建物があります。

記念館では、日本酒に関するさまざまな資料の展示が行われています。

一方、酒蔵館は、酒づくりの工程説明や酒造道具の展示が中心です。

なお、博物館への入場は有料。その代わり、酒蔵館への入館時には「おみやげ」として白鹿のお酒がもらえます。

白鹿記念酒造博物館

<菊正宗酒造記念館>

神戸市東灘区の御影郷にある菊正宗の博物館。


この記念館の見どころは展示室。

展示室内には、昔の酒づくりで使用されていた貴重な道具類(重要有形民俗文化財に指定)が所狭しと並べられています。

大人の背よりも大きな大桶や、酒づくり専用の特殊な用具など、今では見かけない珍しい道具もたくさんあります。


また、館内併設のショップでは、記念館限定のお酒が販売されています。利き酒コーナーもあります。

菊正宗酒造記念館

<浜福鶴吟醸工房>

浜福鶴は東灘区の魚崎郷にある蔵元。

日本酒の実際の製造設備をガラス越しに見学することができる、日本中でも大変珍しい施設です。

誰でも自由に見学でき、見学料も無料。酒づくりの流れがわかりやすく説明されています。

見学を終えて工房を出るころにはあなたもお酒博士!

浜福鶴吟醸工房

このような蔵元運営の施設には、試飲(利き酒)コーナーが設置されているところも多いです。

お酒を一口味わってみて、これは!というものがあれば、その場ですぐに購入できます。

日本酒が好きな方には、これが一番の楽しみかもしれませんね。


毎年10月の宮水まつり

その他、蔵元がお酒の仕込みを始める秋の10月、第1土曜日には、西宮神社の周辺において、宮水への感謝を込めて「宮水まつり」が行われます。

また、西宮神社の境内では、灘の蔵元がお店を出し、お酒の試飲や販売を行います。

いろいろな「灘の酒」を楽しむチャンス、こちらもお見逃しなく。

(参考出典)灘五郷酒造組合ホームページ

<プロおすすめの日本酒を毎日楽しめます!>

スポット情報

<白鹿記念酒造博物館>

住所 兵庫県西宮市鞍掛町8-21
最寄り駅 阪神西宮駅から徒歩15分
開館時間 午前10時~午後5時
休館日 火曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
入館料 一般400円 中学生以下200円
ホームページ 白鹿ホームページ


<菊正宗酒造記念館>

住所 神戸市東灘区魚崎西町1丁目9-1
最寄り駅 阪神魚崎駅から徒歩10分
六甲ライナー南魚崎駅から徒歩2分
開館時間 午前9時半~午後4時半 毎日開館(年末年始除く)
入館無料
ホームページ 菊正宗記念館


<浜福鶴吟醸工房>

住所 神戸市東灘区魚崎南町4丁目4-6
最寄り駅 阪神魚崎駅から徒歩15分
六甲ライナー南魚崎駅から徒歩10分
開館時間 午前10時~午後5時 入館無料
休館日 月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
ホームページ 浜福鶴ホームページ


<その他>

日本盛酒蔵通り煉瓦館(西宮市)
沢の鶴資料館(神戸市灘区)
神戸酒心館(神戸市東灘区)
白鶴酒造資料館(神戸市東灘区)

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