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八幡山城と八幡堀 10年で廃城となったお城と、近江商人の活躍で栄えた城下町

散策コース:近江八幡)

水郷地帯で知られる滋賀県近江八幡市は、城下町から発展した街です。

現在の近江八幡市中心部の北側には、標高283mの鶴翼山(通称:八幡山)と呼ばれる急峻な山がそびえています。

この八幡山には、その昔、八幡山城というお城がありました。八幡山城は、安土桃山時代に、豊臣秀吉が、自らの後継者でもあった甥の豊臣秀次のために築城したお城です。

それまでは、近江国(現在の滋賀県)の主城ともいうべきお城は、織田信長の居城、安土城でした。

しかし、本能寺の変後の混乱で安土城が焼け落ちたこともあり、八幡山城は、安土城に代わる近江の中心的なお城として建てられたのです。

八幡山の山頂には三層の天守閣があり、大変立派なお城であったそう。


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八幡山と近江八幡の町並み

このお城の城主となった豊臣秀次は、秀吉の後を次いで「関白」という人臣最高の地位に昇った人物です。

しかし、その栄華は長く続かず、晩年の秀吉に謀反の疑いを掛けられて失脚し、切腹して果てました。まさに「悲運の武将」です。

そして、八幡山城は、力を入れて建てられた立派な城であったにも関わらず、秀次失脚に伴い、わずか10年で廃城となってしまいました。


現在の八幡山城跡には、秀次時代の建物は何もありません。

ただ、二の丸、西の丸、北の丸などの曲輪(くるわ)の跡や、石垣の一部が残っています。

曲輪の跡に残る、苔むした大きな石組みの石垣が、秀次時代のお城の巨大さととともに、その後に経過した年月の長さを感じさせます。

八幡山城跡に残る石垣

さて、この八幡山ですが、山頂からの眺望は見事。

北側に広がる琵琶湖との間に視界を妨げるものがありません。

西の丸跡や北の丸跡からは、琵琶湖周辺の安土山、長命寺山、西の湖周辺の水郷など、南近江の景色を一望できます。

八幡山からの眺め

そのほか、山上には、豊臣秀次の母(秀吉の姉)である日秀尼が開いた、瑞龍寺(別名:村雨御所)というお寺もあります。

この瑞龍寺も、見晴らしのよい場所の1つ。ここからは、南に広がる近江八幡の市街地を見渡せます。


なお、八幡山の山上へは、ロープウェイ(八幡山ロープウェー)が便利です。

一方で、山麓の日牟礼八幡宮八幡公園付近から、山頂へ向かう登山道ものびています。

道中少し急なところもありますが、30分ほどで山上の城跡に着く、比較的手頃なコースなので、お時間に余裕があれば、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

行きはがんばって徒歩で登り、疲れたら帰りはロープウェイで下山、という選択もありです。

瑞龍寺

一方、八幡山の南側の麓には、八幡山城の築城と同時に城下町が形成されました。

この城下町には、琵琶湖に繋がる八幡堀と呼ばれる人工の水路がありました。

八幡堀は、本来は、八幡山城の防御のための堀。

ただ、琵琶湖に直結していることから、近江商人たちには物流手段として重宝されました。

というのも、八幡堀の横に構えた蔵から出した商品を船に積み、そのまま、琵琶湖に船を出せば、琵琶湖の水運を利用して日本全国に商品を運ぶことができたためです。

この水運の利もあって、八幡山城が廃城になった後の江戸時代においても、城下町は近江商人の活躍によって賑わい、近江八幡の街は長い間栄えました。


なお、明治維新後の近代化が進むにつれて、琵琶湖の水運が衰えていくと、八幡堀も使われなくなり、昭和期には廃れた状態で久しく放置されておりました。

しかし、近年、八幡堀の復元・保存が進められたことで、昔の商人の町の景観が甦りました。

時代劇の撮影にも使われることもあり、今では、近江八幡を代表する観光名所となっています。

八幡堀

風情のある八幡堀を船で巡る「八幡堀めぐり」も人気です。

ゆっくりとした速度で堀を進む船の上から、白壁の建物が並ぶ景色をのんびりと眺めてみてはいかが。

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スポット情報

<八幡山城跡>

住所 滋賀県近江八幡市宮内町
最寄り駅 (JR・近江鉄道)近江八幡駅からロープウェー乗り場まで徒歩30分
バス利用の場合は、近江八幡駅から長命寺行きバス、大杉町バス停下車
ロープウェー (営業時間)午前9時~午後5時 年中無休
(料金)大人490円 子ども250円(片道)
ホームページ 八幡山ロープウェー

<八幡堀>

住所 滋賀県近江八幡市宮内町周辺
最寄り駅 (JR・近江鉄道)近江八幡駅からロープウェー乗り場まで徒歩30分
バス利用の場合は、近江八幡駅から長命寺行きバス、大杉町バス停下車
ホームページ 近江八幡観光物産協会(八幡堀めぐりを含む観光情報掲載)

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