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興福寺 猿沢池から五重塔を眺めるのがここの定番!藤原氏ゆかりの南都の大寺

散策コース:奈良(1))

奈良市の東部、青々とした芝生が美しい奈良公園には、奈良を代表する寺社が集まります。

その1つが、奈良県庁の真向かいにある、興福寺

現在は法相宗(ほっそうしゅう)の大本山です。

周辺各地から眺めることができる興福寺五重塔は、東大寺大仏殿若草山とともに、古都奈良の象徴です。


興福寺は、奈良時代、藤原(中臣)鎌足の息子の藤原不比等による創建。

その後、1300年の長いときを経た今も同じ地に残る、歴史ある南都の大寺の1つです。

一方で、近年、中金堂の再建が進められるなど、「ホット」な話題も提供しているお寺です。


過去には「強面寺院」の顔も見せた、藤原氏の氏寺

今は、塀も門もない開放的なお寺

興福寺境内の見どころピックアップ

定番のビュースポット、猿沢池


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興福寺

過去には「強面寺院」の顔も見せた、藤原氏の氏寺

藤原鎌足を祖とし、その子、不比等(ふひと)以降、長きにわたって栄華を極めた藤原氏

鎌足・不比等とのゆかりの深い興福寺は、藤原氏の「氏寺」として手厚く保護されました。

境内には大伽藍が造営され、大和国(現在の奈良県)を中心に寺領も拡大していきました。


中世には、興福寺は、大和一国を支配するほどに成長。

その頃から、多くの僧兵を抱えた「強面(こわもて)寺院」の顔を見せるようになります。

何かあればすぐ強訴(ごうそ)してくる、荒くれ坊主ども。

比叡山延暦寺とともに「南都北嶺」と称され、朝廷に恐れられました。


ただ、それは遠い昔のこと。現在の興福寺には、そんな「強面」の雰囲気は感じられません。

多くの観光客がにこやかな顔で写真を撮る、穏やかな境内です。

興福寺の境内

今は、塀も門もない開放的なお寺

さて、今の興福寺を訪れたときに、ある特徴に気づかれるかもしれません。

それは、「境内を仕切る塀や門がないこと」


明治維新後に日本中で吹き荒れた寺院排斥(廃仏毀釈)の嵐。

これには興福寺も飲み込まれました。

寺領の大部分が没収、多くの建物や仏像が破壊されました。

その際に、それまでの興福寺の広い境内を囲んでいた塀や門も取り壊されたのです。


そのおかげ(?)か、今の興福寺の境内は開放感にあふれています。

ただその分、どこから興福寺なのか、境界がわかりにくいところもあります。

奈良公園を歩いている間に、知らないうちに興福寺の境内に入ってしまうことも。

五重塔・東金堂

なお、このときに興福寺から没収された土地に作られたのが、奈良公園

今も、園内のところどころに、昔の興福寺の壊れかけた築地塀(ついじべい)が残ります。

例えば、興福寺の南東に広がる、荒池鷲池の近く。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、池の周りを散策される際に注意深く探してみましょう。

昔の興福寺の築地塀

興福寺境内の見どころピックアップ

明治の廃仏毀釈で被害を受けたとはいえ、興福寺には、今もなお貴重な文化財が数多く残されています。

建造物では、国宝に指定されているものだけでも4つ。

また、仏像の宝庫でもある興福寺。日本の国宝指定の仏像の1割以上を所有しています。


(興福寺の見どころ)

・4つの国宝建造物、東金堂五重塔北円堂三重塔

・西国三十三所第九番札所、南円堂

・完成間近の中金堂

・リニューアルで生まれ変わった国宝館


興福寺境内

<東金堂>

一般に、金堂(本堂)は、そのお寺の中心となるお堂です。

この金堂が、興福寺にはなんと3つ(中金堂、東金堂、西金堂)もありました。


興福寺の三金堂は、それぞれ、過去に焼失と再建を繰り返しています。

現在、唯一残っているのが東金堂。室町時代(1415年)の再建です。


東金堂の中には、たくさんの仏像が安置されています。

中央には薬師三尊像、その周囲には四天王や十二神将。

国宝・国重要文化財の21体の仏像が堂内にずらり。その存在感は見る人を圧倒させます。

東金堂

<五重塔>

均整美と力強さを兼ね備えた古塔。

奈良公園や若草山など各地から眺められる五重塔は古都奈良のシンボルです。


東金堂と同時期、室町時代の1426年の再建。

高さは約50mで、木造古塔としては、東寺五重塔に次いで第二位です。

五重塔

<北円堂>

境内の北西角にあるお堂。

「円堂」とはいうものの、厳密には円形ではなく八角形。「八角円堂」です。


興福寺の創建者である藤原不比等の一周忌に建てられた、由緒あるお堂です。

ただし、現在のお堂は、鎌倉時代前期の再建です。


北円堂の中には、弥勒如来像(国宝)などの貴重な仏像数体が安置されています。

なお、北円堂の扉は普段は閉じられており、拝観はできません。

ただし、毎年春(4月下旬~5月上旬)と秋(10月下旬~11月上旬)に特別公開が行われます。

北円堂

<三重塔>

境内南西角に立つ古塔。

鎌倉時代前期の再建で、現在の興福寺の中では、北円堂とともに最古の部類に入ります。

高さは約19m。コンパクトな造りで、五重塔と比べると軽快さが感じられます。

三重塔

<南円堂>

北円堂と同じ八角円堂。ただし、正面に唐破風の向拝(ひさし)がついているのが特徴。

こちらは江戸時代中期の再建で、国重要文化財に指定されています。


南円堂は、西国三十三所観音霊場の第九番札所でもあります。

なお、本尊の観音さま(不空羂索観音)は秘仏。年に1回、10月17日の法会にのみ開扉されます。


また、南円堂の右には藤棚があります。藤は、家紋にも使われている藤原氏の象徴です。

南円堂の藤は「南都八景」の1つ。今でも春になると美しい花を咲かせます。

南円堂と藤

<中金堂>

さて、現在、興福寺三金堂の1つ、中金堂の再建(復元)工事が現在進んでいます。

仮堂や仮金堂という形で作られたことはありましたが、正式な金堂としての再建は実に300年ぶりです。

中金堂の位置は、境内中央、南大門跡の前。

カバーで覆われて中は見えませんが(2018年5月現在)、完成はもうすぐ。2018年10月の落成です。


中金堂には、興福寺のご本尊、釈迦如来像が安置されます。

また、以前には南円堂に置かれていた四天王像(国宝)が中金堂に移されることになりました。


<国宝館>

国宝を数多く所有する興福寺の宝物館は、その名も、ずばり「国宝館」!!

2017年に耐震工事のため1年間休館していましたが、2018年1月にリニューアルオープン。


ここの宝物で一番有名なのは、少年のようなあどけない顔をした、三面六臂の「阿修羅像」。

また、大きさ1mほどもある頭部だけの仏さま、「銅造仏頭」(旧山田寺仏頭)も必見!

仏さまとは思えない、見ていてうっとりするハンサムなお顔が人気です。

国宝館

定番のビュースポット、猿沢池

奈良公園の各所で眺めることができる、興福寺五重塔。

その中でも、「定番」のビュースポットの1つが、興福寺のすぐ南側に広がる猿沢池です。


池の南側の畔に立ち、北の興福寺を眺めてみましょう。

右手に、木々の中から頭一つ抜き出る美しい五重塔。

晴れた日には、池の水面に塔の姿が映ります。


ぽかぽか陽気の日には、亀さんが、島に上がって気持ちよさそうに甲羅干し。

奈良公園の散策や興福寺の拝観で疲れたら、亀さんのように、こちらも猿沢池の畔で一休み。


なお、近鉄奈良駅から興福寺を訪れる場合、北から境内に入ることも多いです。

その場合は、南の猿沢池を見逃さないようご注意ください。

猿沢池から眺める五重塔

塀に囲まれていない開放的なお寺、興福寺。

境内は散策自由。シンボルの五重塔も間近で眺めることができます。

普段あまりお寺を訪れることがない方も、奈良公園へのお出かけついでに、興福寺にもふらりと訪れてみませんか。

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スポット情報

<興福寺>

住所 奈良市登大路町48
最寄り駅 近鉄奈良駅から徒歩5分
拝観時間 午前9時~午後5時 年中無休、境内自由
拝観料 (東金堂)大人300円 中高生200円 小学生100円
(国宝館)大人700円 中高生600円 小学生300円
(東金堂・国宝館共通券)大人900円 中高生700円 小学生350円
ホームページ 興福寺ホームページ

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