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坂本 石積みが続く風情ある門前町と、明智光秀ゆかりの地を巡る

散策コース:大津(3))

坂本は、滋賀県の琵琶湖西岸、比叡山の麓にある歴史ある町。

古くから比叡山延暦寺日吉大社の門前町として栄えました。


一方で、坂本と聞いて、戦国時代の坂本城を思い浮かべる人も。

坂本城は、織田信長の配下、明智光秀によって築かれたお城です。


今回は、「石積みが続く町並み」と「明智光秀ゆかりの地」で知られる、坂本をご紹介します。


「石積み」が続く美しい町並み

神のお使いはお猿さん!日吉大社

明智光秀ゆかりの地、坂本

まだまだある!坂本のおすすめスポット

お腹が空いたら坂本名物「お蕎麦」はいかが?


石積みの町

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「石積み」が続く美しい町並み

坂本の町を散策していると、お寺や神社、さらには、一般の民家にまで、町のあちこちに「石積み」(石垣)が築かれていることに気づきます。

この石積みが続く美しい町並みが、坂本の一番の魅力。

しっとりと落ち着いた雰囲気を醸し出す石積みに、門前町の風情が残ります。


この美しい景観を作り上げたのは、「穴太(あのう)衆」と呼ばれる有名な石工職人たちです。

元は、延暦寺の下で石積みの仕事を請け負う地場の職人であった穴太衆。

一躍、全国的に有名になったのは安土桃山時代です。


織田信長の安土城で石垣(穴太積)を築いたことをきっかけに、知名度が大きくアップ。

その後、大坂城彦根城など、日本全国で石垣普請を行うようになりました。

穴太積

「石積みの町」坂本を感じられる場所の1つが、日吉大社の参道横などにずらり並ぶ「里坊」。

里坊とは、延暦寺での修行を終えた、隠居の僧侶が住む小さなお寺のこと。


里坊が集まる場所では、石積みが一直線にずらりと並びます。

石の大きさが揃っていませんが、それも町の風情を感じさせる1つのポイント。

大きさばらばらの石がうまく組み合わされることで、不自然さを感じさせず、周囲の風景とうまく調和しています。


なお、石積みが続く美しい景観が高く評価され、「門前町」坂本は、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されています。

里坊の石積み

神のお使いはお猿さん!日吉大社

さて、坂本では、石積みの他に、大きな鳥居も目にします。

これは日吉大社の鳥居。

坂本は、延暦寺の門前町としてよく知られますが、同時に、日吉大社の門前町(鳥居前町)でもあります。


日吉大社は、元は、比叡山延暦寺の守護社。

明治時代の神仏分離までは、延暦寺と「一心同体」の存在でした。

現在の日吉大社は、全国に4000社近くもある、日吉・日枝・山王神社の総本社です。

日吉大社

日吉大社には、西本宮東本宮という、2つの本宮があります。

西本宮の主祭神は、大己貴神(オオナムチノカミ)。大国主命(オオクニヌシ)のことです。

一方、東本宮の祭神は、大山咋神(オオヤマクイノカミ)。

こちらは山の神。比叡山の麓にある神社にふさわしい神さまです。


なお、織田信長の叡山焼き討ちにより、日吉大社も、延暦寺と同様、ほぼ全ての建物を失いました。

現在、境内に残る社殿の多くは、叡山焼き討ち後の安土桃山時代に再建されたものです。

西本宮の本殿と東本宮の本殿は、国宝に指定されています。

日吉大社西本宮本殿

この日吉大社では、「」を神のお使いとします。

猿は、「魔が去る」「勝る」など、縁起のよい動物とされています。

西本宮や東本宮の授与所には、お猿さんのかわいらしいお守りやおみくじもあります。


また、神社境内には、神猿舎という建物があります。

このような建物には、作りものの像が置かれているだけのことが多いのですが、ここは違います。

日吉大社の神猿舎にいるのは、「本物」のお猿さん。


なお、このお猿さんは神のお使いであって参拝の対象。見世物とは違います。

お猿さんにちょっかい出して怒らせたりしてはいけません。

日吉大社の神猿舎

明智光秀ゆかりの地、坂本

戦国時代、この坂本には、明智光秀により坂本城が築かれました。

明智光秀というと、織田信長を本能寺の変で討ち、「下克上」のイメージも強い人物です。

一方で、内政に優れた手腕を持ち、領民に慕われたとも言われています。


坂本には、そんな明智光秀とのゆかりの深い地が残ります。

その中でも特に、西教寺坂本城址公園をご紹介しましょう。


<西教寺>

西教寺は天台真盛宗の総本山。

天台真盛宗は、延暦寺で修行をした後に独自に布教を行った、真盛上人を宗祖とする宗派。

天台宗(延暦寺)、天台寺門宗(三井寺)とともに、天台系主要三派の1つです。


織田信長の叡山焼き討ちの際に、比叡山の麓にある坂本も大きな被害を受けました。

その坂本の復興に当たったのが明智光秀。西教寺の再興にも力を尽くしました。

西教寺

ところが、明智光秀は、本能寺の変の後、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)との決戦に敗れ、非業の死を遂げます。


この当時、「逆賊」の烙印を押された光秀との関わり合いは誰もが避けたいところ。

それでも、この西教寺では、運なく敗れた明智光秀を弔うことにしました。

光秀と西教寺との縁はよほど深かったということでしょう。

現在も、西教寺の境内には、明智光秀とその一族のお墓が残ります。

明智一族の墓

<坂本城址公園>

昔の坂本城が築かれたのは、坂本の中でも日吉大社周辺から南東に離れた、湖岸近く。

この坂本城は、琵琶湖の水を周囲に引き入れた、いわゆる「水城」でした。


残念ながら、当時の坂本城の遺構はほとんどなく、湖の中に石垣がほんの一部残るのみ。

ただ、湖岸に面した場所に、当時の坂本城を偲ばせる、坂本城址公園が整備されています。

坂本城址公園

公園内には明智光秀の像や坂本城についての説明があり、お城についての理解も深まります。

また、湖岸に面したこの公園からは、琵琶湖の素晴らしい景観も楽しめます。

坂本の観光中心からは少し離れていますが、周辺散策のついでに足をのばしてみてはいかが?

坂本城址公園から眺める琵琶湖

まだまだある!坂本のおすすめスポット

歴史ある坂本には、他にも多くの名所があります。

その中でも、特におすすめのスポットは、滋賀院門跡旧竹林院、そして、日吉東照宮です。


<滋賀院門跡>

徳川家康・秀忠・家光の三代の徳川将軍に仕えた政僧、南光坊天海により建立されたお寺。

延暦寺の本坊であり、江戸時代は天台座主(延暦寺トップ)の住まいとされました。


なお、南光坊天海というお人は、出自不明の謎めいたお坊さんです。

「明智光秀が実は生き延びて、僧の姿になったのが天海僧正」という説もあるほどです。

意外な形でまたまた登場した明智光秀。坂本とのゆかりは本当に深いですね。


滋賀院門跡の周囲には、高さ1m以上の石積みが巡らされています。

さらにその上には高い土塀。そのさまは、まるで、堅固なお城のよう。

滋賀院門跡は、内部拝観もできます。

狩野派画家によるふすま絵や、小堀遠州作と伝わる日本庭園が見どころです

滋賀院門跡

<旧竹林院>

旧竹林院は、昔の里坊(延暦寺僧侶の隠居所)の1つ。

邸内には、主屋と、その周囲に広がる庭園があります。


見どころは、国の名勝にも指定されている日本庭園。

主屋の2階からは、広い庭園の全体を見渡せます。

また庭園の中をぐるりと散策することも可能。

苔が覆われた築山の周りに配された、小川や石灯籠、茶室・四阿(あずまや)

さまざまな「アイテム」が見事に調和した美しいお庭を、いろんな角度から眺めてみましょう。

旧竹林院

<日吉東照宮>

「東照大権現」徳川家康を神として祀る神社。

滋賀院を建立した、家康側近の南光坊天海による創建。

現在は、日吉大社の境外末社の1つです。


本殿と拝殿が「石の間」で連結された権現造(ごんげんづくり)が特徴的な社殿。

日光東照宮に先立って建てられ、その「モデル」になった建物として知られます。

社殿の随所に、彩色豊かな美しい彫刻が施され、「関西日光」の名でも知られます。

日吉東照宮

また、この日吉東照宮は、坂本の町にあるスポットの中でも特に高い位置にあります。

参拝のためには、長い石段または坂道を登らなくてはいけません。

しかし、それを登り切った境内からの眺望は最高。

目の前に広がる、美しい琵琶湖の景観を楽しめます。

日吉東照宮からの眺望

お腹が空いたら坂本名物「お蕎麦」はいかが?

坂本は名物の「蕎麦」でも知られます。

特におすすめのそば屋さんは、「鶴喜そば」と「日吉そば」。

坂本の中心部、日吉大社の大きな石鳥居の近くにあります。京阪坂本比叡山口駅から徒歩1分です。


石積みが続く町並みに調和した、伝統を感じさせる名店の佇まい。

坂本にお出かけの際には、ぜひ、名物のお蕎麦をご賞味あれ。

鶴喜そば

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スポット情報

<日吉大社>

住所 大津市坂本五丁目1-1
最寄り駅 (京阪)坂本比叡山口駅から徒歩10分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩20分
拝観時間 午前9時~午後4時30分
定休日 年中無休
入園協賛料 大人300円 小人150円
ホームページ 日吉大社


<西教寺>

住所 大津市坂本五丁目13-1
最寄り駅 (京阪)坂本比叡山口駅から徒歩25分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩30分
(バス)京阪坂本比叡山口駅、JR比叡山坂本駅より、江若バス「西教寺」下車
拝観時間 午前9時~午後4時30分
定休日 年中無休
拝観料 一般500円
ホームページ 西教寺


<坂本城址公園>

住所 大津市阪本3丁目1
最寄り駅 (京阪)坂本松ノ馬場駅から徒歩20分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩30分
備考 園内自由


<滋賀院門跡>

住所 大津市坂本四丁目6-1
最寄り駅 (京阪)坂本比叡山口駅から徒歩5分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩15分
拝観時間 午前9時~午後4時
定休日 年中無休
拝観料 大人450円


<旧竹林院>

住所 大津市坂本5丁目2-13
最寄り駅 (京阪)坂本比叡山口駅から徒歩10分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩20分
拝観時間 午前9時~午後4時30分
定休日 月曜日(祝休日は開園、その翌日休園)、年末年始
拝観料 大人320円 小学生160円
ホームページ 旧竹林院公式サイト


<日吉東照宮>

住所 大津市坂本4丁目2-12
最寄り駅 (京阪)坂本比叡山口駅から徒歩15分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩25分
拝観時間 境内自由(ただし、内部拝観は午前10時~午後4時)
定休日 なし(ただし、内部拝観は土日祝のみ)
拝観料(内部拝観) 200円(日吉大社参拝者は150円)
ホームページ 日吉東照宮(日吉大社ホームページ内)


<鶴喜そば>

住所 大津市坂本四丁目11-40
最寄り駅 (京阪)坂本比叡山口駅から徒歩1分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩10分
営業時間 午前10時~午後6時
定休日 (通常)第3金曜日
(1月、6月)第3木・金曜日休み (8月、11月)無休
ホームページ 本家鶴喜そば


<日吉そば>

住所 大津市坂本4丁目11-38
最寄り駅 (京阪)坂本比叡山口駅から徒歩1分
(JR)比叡山坂本駅から徒歩10分
営業時間 午前11時30分~午後15時30分、午後5時~午後10時
定休日 月曜日

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