関西で新しい街歩きの楽しみ方を提案します

富田林寺内町 真宗寺院を中心に発達した宗教都市の今は、古民家が並ぶ風情ある町

散策コース:富田林)

富田林は、大阪府の南東部、南河内地域にある街。

この富田林の中心は近鉄富田林駅。駅の周辺は店舗や商業施設が立ち並び、終日賑わいを見せています。


しかし、富田林駅から少し南に入ると、駅周辺からは景色が一変。

古い民家(町屋)がずらりと並ぶ、風情ある昔の町の風景が広がります。

ここが富田林寺内町(じないまち)と呼ばれるエリアです。


寺内町とは?

富田林寺内町はどんなところ?

おすすめスポット

寺内町をぶらりと一巡り


スポンサードリンク

寺内町

寺内町とは?

一般に、「寺内町」とは、主に浄土真宗系の寺院を中心に発達した町のことを指します。

室町時代から戦国時代にかけて、浄土真宗が全国に広がるにつれて日本各地に寺内町が作られました。

お寺の周りには浄土真宗の門徒(信者)や商人の家が建ち並び、それらの家を取り囲むように土居や濠が築かれ、防御が固められていました。

また、その中では寺院を中心に独自の自治が行われました。

寺内町は、周辺から独立した一種の宗教都市であったのです。


なお、寺内町に類似したものとして「門前町」があります。

門前町は、お寺や神社へ出入りする業者や、参拝客向けに商売する商工業者が集まって形成された町です。

例えば、比叡山の麓にある坂本は、比叡山延暦寺の門前町として発達した町です。

門前町には商工業者の町という側面が強く、寺内町とは町の雰囲気も少し違います。


富田林寺内町はどんなところ?

日本に数多く存在した寺内町の中でも、昔の街並みを今も残している場所の1つが富田林寺内町。

富田林の寺内町は、戦国時代末期、興正寺別院(富田林御坊)を中心に開かれました。

現在の富田林市を南北に貫く石川のそば、周りよりも少し高くなった台地の上に築かれています。


寺内町の中は整然と区画され、東西南北にのびる道路が碁盤の目のように通ります。

ただ、交差点付近では道がまっすぐでなく、交差点を挟んで手前と向こう側とで少しずれている箇所があります。

これは「あてまげ」と呼ばれ、町を外敵の侵入から守るため、道の先の見通しを意図的に妨げる防御上の工夫です。

寺内町内のあてまげ

町内には、江戸時代から昭和の初期にかけて建てられた民家が数多く残ります。

その風情ある町並みの保存のため、この寺内町は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。


なお、民家の一部は、歴史的建造物として市によって整備された上で一般にも公開されていますが、多くの民家は今も住宅として使用されています。

寺内町散策の際には、お住まいになられている住民の方のご迷惑にならないようご注意ください。

古民家が並ぶ寺内町の風景

富田林寺内町のおすすめスポット

古民家がずらりと並ぶ、風情ある街並みが魅力の、富田林寺内町。

寺内町にある一部の建物については、一般の人にも公開されているところがあります。

その中でも、特に訪れておきたい、おすすめスポットを2つご紹介しましょう。

それは、興正寺別院旧杉山家住宅です。


<興正寺別院>

興正寺別院は寺内町の中核となるお寺で、真宗興正寺という浄土真宗の一派に属しています。

なお、真宗興正寺の本山は京都の西本願寺(浄土真宗本願寺派)の南隣にあります。明治時代までは西本願寺の脇門跡でしたが、その後独立して現在に至ります。

興正寺別院

南北に延びる城之門筋に沿って築地塀(ついじべい)が続き、その途中に伏見城の遺構とも伝えられる山門(表門)が立っています。

山門の左右に形の異なる鐘楼と鼓楼が配置された外観もなかなか特徴的。

鐘楼と鼓楼は遠くからでも目立ち、寺内町におけるシンボル的な存在の1つです。

この山門前の城之門筋の町並み景観は、「日本の道百選」に選ばれています。


境内の中央にある本堂は、江戸時代初期の寛永年間の建築物。

本堂内の拝観もできますので、ご本尊の阿弥陀さまにお参りしておきましょう。

なお、本堂、鐘楼、鼓楼、山門など、興正寺別院の主要な建物は、国の重要文化財に指定されています。

興正寺別院の鐘楼と鼓楼

<旧杉山家住宅>

寺内町創立以来の名家、杉山家の旧宅。

江戸時代中期の建築で国の重要文化財指定。寺内町の建物の中で建築年代が最も古く、また、最大の大きさを誇ります。

歌人・作家の石上露子の生家としても知られます。

旧杉山家住宅

2階建ての大きな建物。中に入ると1階には広い土間が広がり、右手奥には竃が並ぶ釜屋があります。

土間の左手には、大床の間、仏間、座敷、奥座敷など、大小さまざまな畳敷きの部屋がいくつも並びます。

これらの部屋は、それぞれ畳に上がっての見学が可能です。

階段で2階に上がれば、美しい中庭の風景や、町屋が並ぶ寺内町の景色を眺めることもできます。

座敷から眺めた庭の風景

寺内町をぶらりと一巡り

寺内町の中には、古民家が並ぶ中に町屋風の店舗もちらほら見かけます。

カフェ、パン屋さん、小物を販売するお店など、その種類はさまざま。

お時間に余裕があるなら、いろんなお店をちょこちょこと覗きながら、町内をのんびり巡るのもよいでしょう。

寺内町はそれほど広くはありません。町中のさまざまなスポットを訪れながら一巡りしても、2時間もかかりませんよ。


寺内町の中には、寺内町センターじないまち交流館など、案内所と休憩所の機能を兼ね備えたスポットがいくつか存在します。

特に、寺内町南東の一角にあるじないまち展望広場は、大阪と奈良との境の山並みを一望できるおすすめの場所です。

どのスポットにも、休憩室、自動販売機、トイレなどが整備されていますので、町歩きで疲れを感じたときの軽い休憩に最適です。

じないまち展望広場からの眺め

スポンサードリンク

スポット情報

<興正寺別院>

住所 大阪府富田林市富田林町13-18
最寄り駅 近鉄富田林駅から徒歩7分
ホームページ 興正寺別院(富田林市観光協会HP)
備考 境内拝観自由
(ただし、表門が閉まっているときはインターフォンを押して拝観可能か確認を)


<旧杉山家住宅>

住所 大阪府富田林市富田林町14-31
最寄り駅 近鉄富田林駅から徒歩7分
開館時間 午前10時~午後5時
休館日 月曜日(休日の場合は翌日)、年末年始
ホームページ 旧杉山家住宅(富田林市観光協会HP)
入館料 大人400円 子ども(6歳~15歳)200円

関連地図

スポンサードリンク

  • 新規会員登録
  • 散策コース紹介
  • つれづれ関西街歩き
  • お役立ち情報