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今井町 今も残る古民家の数はなんと500軒!江戸時代の情緒を残す、落ち着いた佇まいの町並み

散策コース:橿原)

奈良県中部、県内第二位の人口を誇る橿原(かしはら)市。

市域のほぼ中央、(近鉄)大和八木駅・八木西口駅、(JR)畝傍駅の3つの駅が集まるエリアが橿原市の中心部で、ここには市役所などの行政施設やオフィスビル、商業施設が集中しています。


しかし、ビルが立ち並ぶ市の中心部から南西に少し向かうと景色は一転。

まるで江戸時代にタイムスリップをしたかのように、昔の町屋が軒を連ねる風情ある町並みが突如出現します。

ここが、今回ご紹介する今井町です。


今井町の歴史

今井町の見どころ

おすすめ観光拠点


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今井町

今井町の歴史

今井町は、もとは、戦国時代、称念寺というお寺を中核に発展した寺内町。

寺内町は、浄土真宗の寺院を中心に発展した、日本の中世における一種の「宗教都市」です。

室町時代中期から戦国時代にかけて近畿や北陸地方を中心に成立し、町内ではお寺の周囲に暮らす門徒(信徒)たちによって自治が行われていました。

関西では、富田林寺内町(大阪府)がよく知られています。


この時期は、一向宗とも呼ばれた浄土真宗の門徒は織田信長と敵対していたこともあり、今井町でも、その周囲に環濠や土塁をめぐらし、防御を固めていたそう。

しかしながら、そのうちに織田軍に攻めたてられ、今井町は一致団結して信長に抗うも力及ばず降伏します。

降伏の際に、恭順の印として環壕を埋められてしまったものの、町内の焼き払いは免れました。

今井町の復元環濠

その後の今井町は、商人たちが住み着いて堺や大坂との交流を強め、江戸時代には近畿でも有数の商業都市として発展しました。

戦乱による焼失を免れたこともあり、当時の豪商たちの居宅を中心に、今井町には今も500軒もの古民家(町屋)が残ります。

平成5年には、重要伝統的建造物群保存地区に指定。町並みの保存に対する意識も高い地域です。


細い通りに沿って町屋がずらりと並ぶ今井町内は、江戸時代の情緒を残す落ち着いた佇まい。

都市部の喧騒から離れた閑静な町内、風情ある町屋を眺めながらの「のんびり散策」が楽しめます。

今井町の町並み

今井町の見どころ

では、次に、今井町の見どころをいくつかご紹介していきましょう。

今井町といえば、やはり町屋。

古くは江戸時代の初期に建てられたものもあり、国の重要文化財に指定されている建物も少なくありません。

また、今井町成立時の中心となった浄土真宗のお寺、称念寺もお忘れなく。


まずは、今井町を代表する町屋から。

以下にご紹介する4つの町屋は、すべて江戸時代の建築物であり、それぞれ国の重要文化財に指定されています。


<今西家住宅>

今井町の西の端にある古民家で、江戸時代初期、1650年の建築。

今西家は、江戸時代、「惣年寄筆頭」という立場にあり、今井町の親分的存在の名家でした。


この建物の構造は「八棟造り」とも呼ばれるもので、入母屋屋根の妻側(側面側)に、大小2つの三角の破風(はふ)が載っているのが大変特徴的。

少し離れたところから側面を眺めると、お城のようにも見えます。

その古い歴史と個性的な外観から、現代では、今井町のシンボル的な存在となっています。

なお、内部見学は可能ですが、事前に電話での予約が必要です。

今西家住宅

<豊田家住宅>

元々は材木商の邸宅で、こちらも江戸時代初期(1662年)の建物。

どっしりとした外観で豪商の風格を感じさせる、入母屋造りの町屋です。

正面2階の中央に虫籠窓(むしこまど)。その左右両側には、材木商らしく「木」の文字をあしらった2つの紋があります。

内部の見学は可能ですが、こちらも事前の電話予約が必要です。


なお、豊田家住宅の西には、「紙半豊田記念館」という施設があります。

ここは、本家筋に当たる豊田本家の収蔵品を展示する博物館。

書画、陶磁器、武具、絵画、古美術品など、数多くの貴重な品々が所狭しと展示されています。

豊田家住宅

<河合家住宅>

こちらの町屋の軒先には、茶色い玉のようなものがぶら下がっています。

日本酒が好きな方ならお分かりかもしれませんね。これは「杉玉」といわれ、酒造業の象徴です。

江戸時代初期にここに移住して以降、現在に至るまで、何百年も造り酒屋を営んでいる老舗です。

建物は江戸時代中期の建築。内部は1階に限り見学可能で、事前予約は不要です。

河合家住宅

<旧米谷家住宅>

その昔、金物商を営んでいた商家の旧宅。江戸時代中期の建物です。

先にご紹介した今西家住宅や豊田家住宅は、入母屋造りで豪壮な、いかにも「豪商宅」という感じの建物でしたが、こちらは切妻造りで、中に入ると広い土間があるなど、農家風の古民家という印象を受けます。

内部は自由に見学可能、事前予約も不要です。

旧米谷家住宅

<称念寺>

称念寺は浄土真宗本願寺派の寺院。今井町が寺内町として成立する際に中核となったお寺です。

通りに面して立つ、四脚門の立派な山門は、桜井多武峰(とうのみね)の談山神社から移築されたもの。

山門の横には、江戸時代末期に建てられた太鼓楼が並びます。

また、境内には、正面幅・奥行きともに約20mもの大きさを誇る本堂(国重要文化財指定)が残ります。

ただし、この本堂は、10年以上にもわたる大規模修復工事の真っ最中。

現在はプレハブ建物に覆われており、外から見ることはできません(2022年工事完了予定)。

称念寺

おすすめ観光拠点

今井町は、風情ある町並みを眺めながらブラブラ歩くだけでも、十分に楽しめるのですが、町の成り立ちや地理などを知った上で巡れば、町歩きがより有意義なものとなります。

お時間に余裕があるようでしたら、今井町の散策前に、地域の観光拠点を訪れて情報を集め、今井町の見どころなど予備知識を仕入れておくとよいでしょう。


今井町にはそのような観光拠点がいくつか存在しますが、その中でもおすすめは、今井まちなみ交流センター「華甍(はないらか)」です。

このセンターは、明治時代に建てられた近代建築(旧髙市郡教育博物館)を再利用した施設。

館内には、今井町の歴史や見どころなどをパネルや模型で詳しく説明している展示室や、映像で今井町を紹介する映像コーナーがあります。

今井町の町歩きに大変役立つ、散策マップも置かれていますよ。

今井まちなみ交流センター「華甍」

なお、今井町の町屋の多くは、現在も住居として使われていることもあり、内部が公開されている建物は限られています。

また、上でも少しご説明しましたように、見学可能な町屋でも、事前予約が必要であったり見学時期が不定期であったりするなど、いつでも見学できるわけではありません。

「華甍」などの観光拠点を訪れた際には、今井町内のどの町屋を見学できるのかなど、それぞれの町屋に関する情報も得ておくとよいかもしれませんね。

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スポット情報

<今井町>

住所 奈良県橿原市今井町
最寄り駅 (近鉄)大和八木駅より徒歩10分、八木西口駅より徒歩5分
(JR)畝傍駅より徒歩8分
内部見学可能な主な町屋 今西家住宅(電話予約要)(TEL)0744-25-3388(今西家保存会)

豊田家住宅(ガイド同伴のみ見学可能、電話予約要)
(TEL)0744-25-0418

河合家住宅(1階のみ見学可能、事前予約不要)
(TEL)0744-22-2154

音村家住宅(不定休、電話予約要)(TEL)0744-23-0089

上田家住宅(不定休、電話予約要)(TEL)0744-23-5457

高木家住宅(不定休、入口に「内部公開中」の札があれば見学可)
(TEL)0744-22-3380

山尾家住宅(電話予約要)(TEL)0744-23-9478

旧米谷家住宅(事前予約不要、見学無料)(TEL)0744-23-8297
ホームページ かしはら探訪ナビ(橿原市)
橿原市観光協会サイト「さらら」
備考 見学可能日や見学料など、町屋の詳細情報については、上記ホームページを参照


<称念寺>

住所 奈良県橿原市今井町3丁目2番29号
最寄り駅 (近鉄)大和八木駅より徒歩15分、八木西口駅より徒歩10分
(JR)畝傍駅より徒歩13分
拝観について 開門時は常時拝観可能、境内拝観自由
ホームページ 称念寺


<今井まちなみ交流センター「華甍(はないらか)」>

住所 奈良県橿原市今井町2丁目3番5号
最寄り駅 (近鉄)大和八木駅より徒歩15分、八木西口駅より徒歩10分
(JR)畝傍駅より徒歩13分
開館時間 午前9時~午後5時
休館日 年末年始(12月25日~1月5日)
入館料 無料
ホームページ 今井まちまみ交流センター「華甍」(かしはら探訪ナビ)


<紙半豊田記念館>

住所 奈良県橿原市今井町3丁目9番11号
最寄り駅 (近鉄)大和八木駅より徒歩18分、八木西口駅より徒歩14分
(JR)畝傍駅より徒歩16分
開館時間 午前10時30分~午後4時30分
休館日 年末年始
入館料 大人300円 高校生150円(中学生以下は無料)
ホームページ 紙半豊田記念館

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